オーストラリアのファームステイは行くべき?農業も英語習得も近道に
せっかくの休暇、都会の喧騒を離れて、オーストラリアの大自然の中で過ごしてみませんか?
広大な牧場で動物たちと触れ合い、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込む。
そんなファームステイに憧れる人は多いのではないでしょうか?
しかし、いざファームステイに挑戦しようと思っても、「どうやって参加すればいいの?」「費用はどのくらいかかるの?」「どんな仕事をするの?」など、疑問や不安を感じる方もいるかもしれません。
この記事では、オーストラリアのファームステイについて、参加方法から費用、メリット・デメリット、よくある質問まで、詳しく解説していきます。
労働型のファームステイで収入を得ながら生活するノウハウや、観光型のファームステイで楽しめるアクティビティ、実際の体験談なども紹介しますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
Contents
オーストラリアのファームステイは全部で3種類!
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オーストラリアのファームステイへの参加は3つの方法があります。
- 観光型ファームステイ
- 労働型ファームステイ
- WWOOFを利用する
大自然と触れ合いたいなら観光型ファームステイ
観光型ファームステイは、農園や田園のある家や施設に滞在し、農業体験をするというタイプです。
ファームで用意しているさまざまなアクティビティを体験できます。
具体的には、ホースライディング(乗馬)やカヤッキング、牛の乳搾り、羊の毛刈りショーなどです。
ほかにも、フルーツ狩りやバター作りやワインのテイスティングなど、農場によって体験できるアクティビティは異なります。
観光型ファームステイは、自然を満喫してリフレッシュでき、ファームステイでしか得られない経験になるでしょう。
農業だけでなくリフレッシュを目的に泊まってみたいという人におすすめのファームステイです。
農場で仕事として働く労働型ファームステイ
作物の収穫期など、農業の繁忙期にあわせて短期間の労働者を募る有償労働のタイプです。
収穫や梱包、販売など、普段のスタッフだけでは手が足りず、猫の手も借りたいほど忙しくなるでしょう。
農園によっては、時給制・歩合制と給与の換算の仕方はさまざまです。
海外では、ワーキングホリデーや留学先の長期休暇などを利用して田舎に滞在し、こうした有償労働をしてお小遣い稼ぎをする人もいます。
有償労働でのファームステイは、農業を体験したいけどお金もほしい人、短期間で集中的に農業に関わってみたい人におすすめです。
農場で働くのではなくお手伝いするWWOOF
WWOOF(ウーフ)は有機農家であるホストと、お手伝いしたい人(ウーファー)をつなぐサービスです。
なお、WWOOF(ウーフ)では、金銭のやりとりはありません。
ウーファーが農場で働いて「労働力」を提供する代わりに、有機農家であるホストから食事や宿泊場所、知識、経験を提供してもらいます。
ウーファーのほとんどは海外からの旅行者やワーキングホリデーの若者です。以前はヨーロッパからの参加者が多数でした。
しかし、近年は日本やアメリカなどの世界各地からの旅行者やワーキングホリデーメーカーが、WWOOF制度を利用しています。
農業や生き方について学びたい人、仕事の手伝いや家事の手伝いをしてみたい人にはおすすめです。
ワーキングホリデービザ2年目を取得するためのファームステイ
オーストラリアにはセカンドビザ制度があります。
ワーキングホリデー1年目に、政府指定の地域で3ヵ月以上の季節労働をすることが、セカンドワーキングホリデービザ取得の条件です。
なお、同じ場所で3ヵ月間働く必要はなく、合計労働日数が3ヵ月となっていれば、1ヵ月ごとに別の仕事をしていても問題ありません。
ただし、WWOOFはセカンドワーキングホリデービザ取得の条件には入らないので注意してください。
オーストラリアでファームステイを探す方法とは
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オーストラリアのファームステイを探す方法は以下です。
- 人からの口コミ・紹介
- オーストラリア政府が出しているサイト
- Facebookグループ
ひとつずつ説明します。
ファームステイは人からの口コミや紹介もらうのが一番安心
ファーム探しで一番失敗しない方法は、人からの直接の口コミや紹介です。
とてもシンプルですが、1番正しい情報を得られる機会と言えるでしょう。
実際の就労環境、ファームの様子、給料、収穫状況などを実際に働いた人から詳しく聞けるのがメリットです。ファームに行く前の大切な情報となり、自分にあったファームが選びやすくなるでしょう。
政府のサイトで仕事探しJobactive(ジョブアクティブ)
オーストラリア政府が運用しているホームページです。
職種(ハーベスト)や、地域を入力すればファームの一覧が掲載され、仕事情報を検索することができます。政府が管理しているページなので信頼性が高く優良なファームを探しやすいです。
セカンドビザ申請の場合は、掲載されているものの全てが対応しているとは限りません。
オーナーさんとやり取りをする際、最初にセカンドビザに対応しているか確認しておくのがおすすめです。
身近なSNSを活用する
オーストラリアではFacebookが身近なコミュニティーツールです。
Facebookに求人情報を掲載していることも多く、Facebookから探すこともできます。
日本語で情報が載っているので、英語初心者の方でも安心です。
Facebookの中にある「グループ」のカテゴリーから”Australia Farm”を検索すると、コミュニティグループが出てきます。
オーストラリアのファームステイでかかる費用は?
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ファームステイは観光型、有償労働型、WWOOFによって費用が大きく異なります。
それぞれを以下にまとめました。
ファームステイ | 観光型 | WWOOF | 労働型 |
登録料 | なし | 初年度5500円 | なし |
滞在費 | 目安 1ヶ月30~60万円 1年間100~130万円 | 無償※WWOOF利用料が必要(初年度5500円) | ファームによる |
食費 | 含まれる ※観光の際は別途必要の可能性あり | 含まれる | 別途必要 ※ファームによっては食事付き |
雑費 | 含まれない | 含まれない | 含まれない |
航空券 | 含まれる | オーストラリア行き往復航空券の料金相場年間平均:約 ¥103,000最も安い月:6月 約 ¥82,779 (平均より20%安い)最も高い月:12月 約 ¥131,795 (平均より+28%高い)※ | |
送迎 | あり | なし | なし |
※参照:Skyscanner 「オーストラリア行き往復航空券の相場は約10万、最も安い月は6月、最も高い月は12月」
観光型は日数に応じて滞在費や食費、アクティビティの費用が必要になるため、最も費用がかかるファームステイです。
観光型はプランになっています。
1ヵ月滞在の目安が30~60万円です。
長期間になるとWWOOFなどを活用する人が増えるので、観光の場合は短期間のケースが多いでしょう。
観光型の次に費用がかかるのがWWOOFです。
まず、WWOOFを利用するには登録費用が必要になります。(初年度5500円)
滞在費と食費は無料ですが、航空券や交通費などそれ以外の費用は自分で用意する必要があるので気をつけてください。
※成田からジェットスターの航空券で10万円前後とファーム先までの交通費、滞在中の日用品費など
労働タイプでは航空券、滞在費、食費などは全て自分で賄う必要があります。
しかし、給料をもらうことができる点が観光型とWWOOFとの違いです。
このようにファームステイの参加する方法で費用が全く異なります。
労働型ファームステイの収入
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オーストラリアは最低時給が24.1豪ドル※です。
1豪ドルが約103円であることをもとに計算すると、日本円で約2,482円ということになります。
所得税も引かれますが、ファームの相場はだいたい時給25~30ドル(約2,575~3,090円)ほど。
予算を抑えてオーストラリア滞在をしたい人にぴったりですが、労働内容がかなりハードになってくるので体力と心構えの準備はしっかりしておくことをおすすめします!
※参照:日本貿易振興機「最低賃金を7月から3.75%引き上げ」
労働型ファームステイの仕事内容
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ファームステイの仕事はファームによってさまざまです。
内容は多岐にわたりますが、イメージとして次の3つを挙げます。
- 畑の仕事
- 販売があるファーム
- 家畜の世話
これに加えて、ファームステイ先の掃除やスタッフのごはんを作ったりする場合もあり、ファームステイ先のルールがあります。
それぞれ説明します。
ファームステイで畑の仕事
畑の仕事は育てている作物によって作業する時期がそれぞれ変わります。
- 畑の整備
- 播種
- 苗の植え替え
- 除草
- 剪定や摘果
- 収穫
全体の流れのイメージで、もっとも忙しくなるのは収穫時期です。
例えば収穫時期の仕事は、収穫する人、収穫した作物を荷台に積む人、どちらの作業もやる人などファームによってさまざまです。
※収穫にベストな時期は春~夏。
オーストラリアは南半球になるので、具体的には9〜12月と1〜3月です。
適していない時期は冬の4月~7月になります。
農場でファームステイをしたい人は参考にしてください。
販売があるファーム
販売を行っているファームでは、以下のような作業があります。
- 収穫後の検品
- 梱包
- 配達
- マーケットでの販売など
農作物を作りから販売までしているファームなら、畑の仕事に加えて販売に関わる業務の両方の作業をする場合もあります。
ファームにいる家畜の世話
牛、馬、山羊など家畜がいるファームでは世話をする仕事もあります。
- 家畜小屋と糞の掃除
- 餌の準備と給餌
- 搾乳の補助
- ブラッシング
- 羊毛の毛刈りなど
ファームならではの体験がたくさんできて貴重な経験になるでしょう。
このように、ファームの規模や内容により作業内容も大きく変わります。
オーストラリアのファームステイのメリット3選
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オーストラリアでファームステイするメリットは以下になります。
- 土地の暮らしや文化を体験できる
- 自然が近い環境で暮らせる
- 多国籍の交流で英語も上達できる最高の学びの場
それぞれのメリットを紹介します。
農業を通して土地の暮らしや文化を体験できる
ファームステイは、ファームが用意した宿泊先に泊り、滞在期間中、寝食を共にします。
ファームステイのタイプが違っても、同じです。
土地の暮らしや文化の中に入って過ごすのは、普通の観光旅行ではなかなかできない経験になるでしょう。
自然が近い環境で暮らせる
オーストラリアの大自然を感じながら暮らすことができます。
ファームの人たちは自然と共に暮らしてきている人たちです。
日の出とともに、もしくは日の出前から仕事をし、日の入りが近くなると仕事を終えます。
オーストラリアの大自然でしか会えない動植物を観察する機会もあるかもしれません。
大自然の中の星空もとても美しいので、ホームステイ中は意識して星空を見上げてみるのもおすすめです。
多国籍の交流で英語も上達できる最高の学びの場
ファームステイにはファームの人だけではなく、さまざまな国からファームステイに来ている人との出会いもあります。
多くの人とコミュニケーションを取ることで英語を話す機会にどんどん恵まれ、英語も上達していきます。
多国籍の人が話す英語を耳にして、自分の英語に対する理解が深まる場合もあるでしょう。
ファームのお手伝いをすることで会話の機会が増えます。
英語力を上達させたくて海外に行く場合はファームステイをするのがとてもおすすめです。
オーストラリアのファームステイの注意点!
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オーストラリアは、自然豊かで気持ちよく過ごせるファームステイ先が、数多くあります。
しかし、中には違法だったり注意しておいた方がよい点があります。
- 違法ファーム
- ファーム選びが重要
- ファームによっては重労働
- 働くならビザに就労許可があるか確認
それぞれ説明します。
違法ファームに注意!
給料を手渡ししたいと希望してくるファームは、税金をごまかすために手渡しにしている可能性があります。
行くファームが信頼していいのか知人やネットの口コミなどでしっかり確認するようにしましょう!
オーストラリアにはファームが多くありますが、ワーホリメーカーをターゲットにした違法ファームがあるのも事実です。
最新の情報をチェックして、より良い環境で働けるように対策を練ってくださいね。
ファームステイではファーム選びが重要
ファームステイのタイプがあるように、何を目的にしているかが一番大切です。
自分にあった目的でまずは選んでみましょう。
海外のファームで自然に囲まれて、リフレッシュしたい人は観光型のファームステイをおすすめします。
ファームでの体験をファームステイ後の仕事に活かしたい人は、労働型のファームステイがおすすめです。
有償労働型とWWOOFなどの無償労働は、オーストラリアの農園や牧場で本格的に仕事をします。
現地のノウハウや仕事の仕方などを勉強できる機会になるでしょう。
農業に興味がある方にとって、海外のファームステイは魅力的な機会になります。
ファームによっては重労働になる
ファームステイといっても、滞在先が農園、牧場によって仕事が異なります。
牧場では、朝早くから動物の世話や、小屋の掃除、餌やりなど。
動物好きかという点と、体力的に向き不向きがあります。
農作物を扱う仕事は、収穫や収穫物の加工などが主な仕事です。
収穫時期が限られていることもあるので、比較的短期間のプログラムが多くあります。
働くならビザに就労許可があるか条件を確認する
ファームステイで労働を前提として滞在する場合は、ワーキングホリデービザのように就労許可のあるビザが必要です。
就労許可のないビザで収入を得ると、重大な違反になるため、ビザの条件などをしっかり確認しておきましょう!
オーストラリアの観光型ファームステイで体験したこと
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観光型のファームステイに1週間参加したことがあります。
ファームにもよりますが、ファームで体験したことを次に挙げました。
- ファーム内の散策
- ファームのアクティビティ体験
- 乗馬で1時間の散歩
- 毎日洋ナシが食べ放題
- コアラ保護区を訪れゴールドコーストの海を楽しむ
どれも魅力があり、ファームステイならではの体験ができました。
それぞれご紹介します。
オレンジの小鳥が飛ぶファーム内の散策
天気のいい日にはファーム内を散策します。
自然に囲まれたファームはとても気持ちがよく散策にぴったりです。
朝早い時間は小鳥が群れて飛んでいるのをよく見かけました。
大きさは日本で見るスズメくらいでしたが、オレンジ色をした鳥です。
日本では見ないオーストラリアの野鳥に感動しました。
気候も環境も日本と違うので、動植物も違います。
散策での自然観察はとてもおもしろく貴重な機会になりました。
ファームステイ中にできるならば毎日散策すると色々発見できておもしろいです。
ファームのアクティビティ体験
ファームではいろいろなアクティビティがあります。
アーチェリーや牛のミルク搾り、バター作りなどを体験しました。
観光型ファームステイは、ファームの人たちが毎日していることなどを気軽に体験でき、自分のペースでできるというのが魅力のひとつ。
ファームによって、カヤックなどのアウトドアの体験などもできるファームステイプログラムもあります。
参加する前に、ファームで体験できるアクティビティは何があるのか、ぜひチェックしておきましょう。
大自然を感じる!乗馬で1時間の散歩
ファームステイで一番印象深かったのはホーストレッキングでした。
まず馬の小屋へ行って、ファームの人が馬の乗り方を説明してくれます。
簡単なレクチャーを受けて出発します。
ファームの人が乗る馬を先頭に、他の馬がついていくので安心です。
崖沿いに続く道からはオーストラリアの山々を見ることができ、絶景でした。
ファームステイでしかできない魅力ある経験です。
毎日洋ナシが食べ放題
ファームステイ先のキッチンのテーブルにバスケットが置いてありました。
バスケットの中には洋ナシが入っていて、いつでもどれだけでも食べていいとファームの人が説明してくれます。
ひとついただくと、とても美味しい洋ナシで、帰る日までたくさんいただき幸せいっぱいでした。
コアラ保護区を訪れゴールドコーストの海を楽しむ
ファームステイ前後は観光の時間が組みこまれていたプログラムでした。
ファームステイ前にコアラ保護区を訪れ、ファームステイ後はゴールドコーストの海岸を散歩して買い物しました。
オーストラリアの動物の代表であるコアラやカンガルーとふれあい、有名ビーチを散歩でき、とても楽しかったです。
観光型ファームステイはオーストラリアの魅力をさらに知ることができるプランでした。
オーストラリアのファームステイに関するよくある質問
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オーストラリアのファームステイに参加するにあたってよくある質問をまとめました。
- オーストラリアのファームステイはきついの?
- オーストラリアでファームステイにピッタリの服装は?
- ファームステイ先に持っていくおすすめの日本のお土産は?
それぞれ説明します。
ファームステイはきついの?
ファームステイ先が農場か牧場か、また、ファームの規模などで内容が変わってきます。
観光型のファームステイは体験にとどまりますので、きついと感じることは好みの問題以外ないでしょう。
しかし、労働を伴うファームステイは体力的にきついと感じる内容があります。
力仕事か、早起きがきついのか、感じる内容も人それぞれです。
労働を伴うファームステイをする場合、仕事内容はどのような内容であるか、行く前にしっかり調べておいたほうがよいでしょう。
ファームステイにピッタリの服装は?
ファームステイでピッタリな服装は、ロングシャツにパンツ(長ズボン)、厚手の靴下、滑り止めのあるスニーカーがよいでしょう。
大自然の中には虫もたくさんいます。
虫刺されや、農薬による肌荒れも考えられるので、あまり肌を露出せずに動きやすい服装がピッタリです。
日差しがきついので、ツバがある帽子も必要です。
作業をするにあたって用意しておいた方がよい作業着や靴、アイテムは、事前にファームの人に確認しておきましょう。
ファームステイ先に持っていくおすすめの日本のお土産は?
ファームステイ先に持っていくおすすめの日本のお土産は、食べ物であれば、日本の味を楽しめるようなお菓子が喜ばれます。
例えば、あられやおかきなどの米菓。
他、抹茶が大人気なので、抹茶味のお菓子を持って行っても喜ばれるでしょう。
日本を感じられるものとして、折り紙やお箸も喜ばれます。
折り紙は百均で手に入る和風柄やキャラクター柄のものでもいいです。
折り紙を一緒に折って、コミュニケーションを深めるいいきっかけになるでしょう。
お箸はきれいな色や美しい柄のものが喜ばれます。
オーストラリアでは日本食がブームです。
スーパーでお寿司を購入する際などに割りばしがもらえますが、my箸を持っている人はそこまで多くありません。
my箸をお土産に持っていくのも喜ばれるひとつです。
オーストラリアのファームステイで自然に囲まれる日々
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大自然と共に暮らすオーストラリアのファームステイ。
観光型と労働型に分かれますが、どちらも大自然を堪能できる滞在になることは共通しています。
労働をする人は、行く前のファーム選びが最重要です。
仕事内容や条件をしっかり確認してファームステイに行きましょう。
普段の生活とは違い、非日常を経験できる貴重な機会。
ぜひ楽しんでください。