山小屋の仕事ってどうなの?毎日が絶景で最高の星空を独り占め!
山小屋の仕事ってどうなの?と聞かれたら、毎日が絶景で星空を独り占めできる仕事と迷わずに答えます。
山小屋の仕事は、山を知る大事な仕事です。
この記事では、山小屋の仕事を紹介します。
日常生活とは違って山では不便な点が多々ありますが、見たことがない景色を見たい人には魅力があるおすすめの仕事です。
山小屋の仕事内容はそれぞれによってスタイルが違う
県営や個人経営、規模などによってスタイルが違いますが大体のイメージをお伝えします。
それぞれの配属部署があっても、それぞれがいろんな部署を手伝う、助け合うという意識を常に持って仕事をするのが山小屋というイメージです。
宿泊施設としての仕事
チェックイン業務など宿泊受付
山小屋でも通常のホテルと同様、チェックインが必要です。
チェックイン業務も山小屋の仕事の中では重要になります。
ほとんどの山小屋はチェックイン時の前払い制です。
食事や消灯時間の説明をし、代金を受け取ります。
また、夜の山は大変危険です。
17時を過ぎても予約客が到着しない場合は安否確認を兼ねて確認できるまで電話連絡することもあります。
ベルマンのような宿泊案内
受付が終わったら宿泊案内が宿泊棟へ案内するのも仕事の1つです。
規模が小さい山小屋や、わかりやすい場所であればお客さんだけで向かってもらえます。
しかし、宿泊棟が多い山小屋などは宿泊案内と設備の利用方法を説明するスタッフが必要です。
宿泊客が多いほど時間勝負の掃除
宿泊棟と宿泊部屋は、チェックアウト時間が過ぎたら手の空いている部署がみんなで一気に掃除します。
昼からはチェックインが始まるので忙しい時は時間勝負なところも。
基本的に宿泊案内が部屋の掃除をするケースが多いです。
売店で登山記念のピンバッチやTシャツなどを販売
登山記念に多くの人が立ち寄る売店。
売店で登山記念のピンバッチやTシャツなどを販売するのも山小屋スタッフの仕事です。
宿泊客だけでなく日帰り客も立ち寄ります。
朝から始まり夕食時間までやることが多いです。
山小屋で重要な飲食業務
売店で珈琲やビール販売
珈琲やソフトドリンク(ポカリなど)などの飲料を販売します。
特に人気なのはビール。
山の上で一杯飲みたい人も多く、生ビールを提供する売店の場合もあり、ビールサーバーを扱うこともあります。
※山での飲酒は危険→理由1:気圧の関係で酔いやすい、理由2:岩にぶつかるなどの事故につながる。亡くなった人もいる
昼食もやってる山小屋ならかなり忙しい!食堂調理
食堂は宿泊客の朝食と夕食が基本。
食堂の調理を担当するスタッフもいます。
朝食から夕食の提供まで勤務するので、休憩は昼間に3~5時間と長めです。
ただ、昼食も提供している山小屋では、タイトなスケジュールで動くことになりそうです。
働く人数は多いですが、忙しくなります。
お客さんとスタッフのごはんがかかっている!米炊き
山小屋では、米を炊くスタッフを「米炊き」と呼びます。
米炊きは食堂調理と少し違うスケジュールで働くのが一般的です。
基本、米炊きが朝起きなければお客さんが食事できないので、朝は大体4時台からお米を炊かないといけません。
調理でシフトを回す山小屋もあれば、専門と決めているところもあります。
山小屋ならではの仕事
安全第一!いてくれると安心の環境整備・設備
環境整備・設備は、山小屋の設備関係の全てをやる部署です。
修理や電気、ガス、水など、さまざま対応します。
クレーンに乗る作業や電気整備関係などをやるので、さまざまな資格を持った職員がしっかり対応。
登山道の環境整備も定期的に行います。
数時間で下山と入山!歩荷(ぼっか)
山小屋で必要な荷物を取りに、登山道を往復するのが歩荷の仕事になります。
基本的に食材の運搬はヘリですることが一般的です。
しかし、緊急で足りない食材などの重たい物を持って上がる時は、カラダを動かしたい力持ちや体力に自信ある人が歩荷を担当します。
トイレ掃除は重要な仕事
男女共にトイレ掃除があります。
簡易水洗の山小屋もありますが、水洗ではない山小屋も。
トイレ掃除当番を順番に回して平等に担当します。
施設を衛生的に運営するために、トイレはしっかり掃除し、トイレ掃除に当たった人にはトイレ掃除手当がつく山小屋もあります。
山小屋の一日の仕事
山小屋で仕事をする人は朝が早く、夜は外に出ると危険なため、基本的に山小屋で生活します。
起床したらすぐに勤務開始のイメージです。
勤務しながら朝食やお風呂など、一風変わった働き方。
夜は消灯するのでお風呂に入る時間は日中になります。
労働時間は何時間?山小屋の仕事のスケジュール
早起きで夜は明かりもないけれど、朝日と夕日、夜は満天の星空が楽しめる素敵な生活スタイルでもあります。
実際は部署によってさまざまですが、山小屋での仕事はどのような一日になるのかイメージしやすいようにざっくりまとめました。
5:00頃(ピーク時は4:00) 山小屋点灯(電気整備士)同時に米炊きも動く 各自それぞれ起床、勤務開始 6:00頃 ラジオ体操が流れるのでお客さんと一緒にラジオ体操 7:00頃 朝食 9:00頃 各部署のリーダーが集まり朝礼、スケジュール確認、会議 12:00頃 昼食 日中、各部署で休憩を回しながら勤務スタッフのお風呂日は優先部署など考えながら順番にお風呂回す 18:00頃(ピーク時は遅くなる)お客さんの夕食が済んだら夕食 20:00(時期によって変わる)山小屋消灯(電気整備士) 自由時間 |
休憩は2、3時間とるので労働時間は8~10時間程度です。
もちろん残業手当やその他特別な仕事をする人には諸手当が出ます。
ピーク時はそれ以上になることもありますが、大雨や暴風や台風でほぼ来客がない日に調整を取る場合もあります。
休憩時間は山小屋の中もいいけど外に出るのも最高
その日の休憩時間は来客数によって変わりますが、まとまった時間があれば、散歩に行くと気持ちがいいです。360度の絶景を毎日目にすることができるのは、山小屋で仕事をする人の特権でしょう。もちろん部屋でゆっくりする人もいます。
山小屋の休日は1ヶ月単位で考える仕組み
山小屋の仕事をしている人が例えば週休2日だったら、下山して家に戻るのに1日、入山するのに1日かかると考えて全く休みになりません。
なので1ヵ月間で1週間まとめて休むという考え方です。
1週間を使って旅行に行ったり、さらに別の山に登山するという人もいます。
山小屋で生活するということ
山小屋で仕事をするということは、山小屋で生活するということ。
普段の生活と比べて、山での生活は知らないことばかりです。
山なのでお店がないことはわかっていましたが、消灯時間やお風呂は毎日ないなど普段とは違うことも。
ここでは、山小屋と一般的な宿泊施設との大きな違いについて説明します。
生活必需品は山小屋へヘリが運ぶ
生活する私物に関しては、ヘリが運びます。
ただし、天候によって飛ばないケースが多く、入山する2週間前くらいにはまとめておいた方がよさそうです。
ヘリが飛ぶのが入山日の後になれば、数日分の生活必需品を持って上がることになります。
食事をしたお皿は水を使わずにアルコール消毒
スタッフは衛生上で水を使うことはありますが、できるだけ節水に努めます。
スタッフは、皿やコップ、カトラリーを自分専用に決めて、期間中、同じものを使うのが一般的です。
お客様のお皿はもちろん水を使って洗いますが、スタッフの食器はできるだけ水を使って洗いません。
汚れをキッチンぺーパーでふき取り、アルコール消毒だけで極力水を使用しない工夫をすることが多いです。
最低限これは持っていきたい必需品
大自然と共に過ごす山小屋生活は、普段の生活とは大きくかけ離れます。
働く上での必需品も大きく異なり、ヘッドライトはあった方がよいでしょう。
その他に下記のようなアイテムを用意しておくと、快適に過ごすことができます。
- クロックスのような厚手でつま先が隠れるサンダル
- 厚手の靴下
- おしりふきシート
- 水なしシャンプー
- レインコート
- 手袋
どれも必需品ですが、毎日お風呂に入れないのでおしりふきシートや水なしシャンプーなどは、特に持っていくのがおすすめです。
山小屋で働くときの注意点
ここは大自然!電波が悪いのは覚悟しておく
環境によりますが、電波が悪い場合があります。
各キャリア会社が電波の調整に来ることが多いです。
電波のないキャリア、全く問題なく使えるなど、さまざまあります。
docomoが使えると思えば、Softbankが使えないケースや逆の場合も少なくありません。
どのキャリアがよいか事前に確認しておいたほうがよいでしょう。
消灯時間が早い!真っ暗で何も見えない
山小屋には消灯時間があります。
シーズンによりますが、消灯時間は19時や20時頃です。
山小屋が消灯するため辺りは真っ暗。
晴れた日は、満天の星空が美しく流れ星が流れて絶景です。
ただし、足元は危ないのでヘッドライトは必須になります。
消灯時間を過ぎると、電源がすべて落とされてしまうため、スマホの充電は早朝や夕方に行わなければいけません。
水はとても貴重!お風呂は毎日入れない
大自然と密接している山小屋。
多くのお客さんをお迎えするため水は大変貴重なものなので、お風呂は毎日入れません。
雨がたくさん降る年は余裕がありますが、降らない年は大問題です。
衛生上、スタッフはお風呂に入りますが、週2回程、水がない場合は週1回だけになります。
全てふくめて山小屋の仕事
普段の便利な生活を優先させたい人は、山小屋に向いていないかもしれません。
山での生活は大自然の絶景や貴重な動植物、星座表より見えるのではないかという星空が迎えてくれます。
また、お客さんもその景色を見るために登山するので、そこでの会話でさらに山に詳しくなります。
きっと、山小屋は貴重な体験ができる仕事になるでしょう。